「分析哲学と文化をつなぐ」フィルカルより、研究会イベントのご案内です。「「哲学は人生の必修科目か? ―『ここは今から倫理です。』から考える―」」以来約1年ぶりとなるオンラインイベントを下記の要項で開催いたします。
イベント概要
- 日時:2022年11月19日(土)20:00~22:30
- 場所:Zoomを利用したオンライン開催
- お申し込み方法 :こちらのGoogle フォームよりお申込みください。
- 参加費:無料
- 内容:登壇者による発表と、発表を踏まえた小山氏とのディスカッション
- ご質問の受付:当日はこちらのGoogle フォームから皆様の質問を受け付けます。
イベント趣旨
小山虎『知られざるコンピューターの思想史 アメリカン・アイデアリズムから分析哲学へ』(PLANETS、2022年)は、ヨーロッパ哲学史、アメリカ哲学史、コンピューターの歴史といった広い範囲の内容をカバーし、それらの知られざるつながりを丹念に解き明かす点が、ひとつの魅力となっています。研究会では、それぞれの分野に詳しい識者をお呼びし、同書で描かれた歴史の裏側にあるさらなる「知られざる歴史」を発表いただくことによって、同書で惹起される読者の関心をさらに刺激したいと考えています。
本イベントの模様は、2023年4月刊行予定の『フィルカルVol. 8 No. 1』にて特集記事として掲載の予定です。
なお12月中旬に刊行を予定しております 『フィルカル Vol. 7 No. 3』でも、著者の小山虎先生へのインタビューのほか、村上祐子先生(立教大学)による同書の書評を掲載する予定になっております。
タイムスケジュール
20:00-20:05 挨拶(司会:酒井泰斗、フィルカル編集長:長田怜)
第一部 ヨーロッパ編
20:05-20:25 発表①中井杏奈
第二部 アメリカ編
20:25-20:45 発表②入江哲朗
20:45-21:00 休憩
第三部 コンピューター編
21:00-21:20 発表③前山和喜
21:20-21:40 発表④高田敦史
21:40-21:50 コメント 野坂しおり
21:50-22:15 質疑応答(各発表にたいする小山虎からの応答含む)
登壇者プロフィール
小山虎(こやまとら)
山口大学時間学研究所准教授。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程を修了後、日本学術振興会特別研究員PD(慶應義塾大学文学部)、米国ラトガース大学哲学科客員研究員、大阪大学大学院基礎工学研究科特任助教などを経て現職。専門は分析形而上学、ロボット哲学。編著に『信頼を考える:リヴァイアサンから人工知能まで』(勁草書房, 2018年)、訳書にデイヴィッド・ルイス『世界の複数性について』(共訳, 名古屋大学出版会, 2016年)など。
<発表者>
中井杏奈(なかいあんな)
1985年生まれ。専門は中東欧現代史、思想史。中央ヨーロッパ大学 歴史学部(ウィーン/ブダペスト)後期博士課程 (単位取得満期退学)。東京外国語大学「公共圏の歴史」プログラム・非常勤講師および同大学海外事情研究所研究員等。近著: 「ウクライナの隣人としてのポーランド–戦後ポーランド知識人の思想と行動から辿る二国間関係」『現代思想』2022年5月臨時増刊特集号掲載(青土社)Voicing Memories, Resurfacing Identity: Cases of the Twenty-First Century Literature from Eastern and East-Central Europe)With Aleksandra Konarzewska(Vernon Press, Forthcoming)
入江哲朗(いりえてつろう)
1988年生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。アメリカ思想史を研究するかたわら、映画批評も執筆。著書に『火星の旅人——パーシヴァル・ローエルと世紀転換期アメリカ思想史』(青土社、2020年、表象文化論学会賞奨励賞受賞)など。訳書にジェニファー・ラトナー゠ローゼンハーゲン『アメリカを作った思想——五〇〇年の歴史』(ちくま学芸文庫、2021年)など。
前山和喜(まえやまかずき)
1994年生まれ。専門は日本計算史。「計算」や「デジタル」の言葉の多義性を切り口にして日本の歴史を研究。工学院大学、関西大学大学院、日本科学未来館科学コミュニケーター職を経て、現在は総合研究大学院大学文化科学研究科日本歴史研究専攻(国立歴史民俗博物館で博士後期課程)、工学院大学情報学部非常勤講師・客員研究員、国立情報学研究所リサーチアシスタント。
高田敦史(たかだあつし)
1982年生まれ。専門は、美学、特にフィクションの哲学。論文に「スキャンロンの価値の反目的論」(『Contemporary and Applied Philosophy』13号、2022年)など。訳書にノエル・キャロル『ホラーの哲学——フィクションと感情をめぐるパラドックス』(フィルムアート、2022年)。
<コメンテーター>
野坂しおり(のさかしおり)
フランス社会科学高等研究院(EHESS)博士課程 医療・科学・健康・精神保健・社会問題研究センター(CERMES3)所属。パリ・シテ大学非常勤講師。研究分野は科学史・医学史。日欧における近代細菌学と感染症対策の変容を専門とする。訳書にクリストフ・ボヌイユ、ジャン=バティスト・フレソズ『人新世とは何か―“地球と人類の時代”の思想史』(青土社、2018年)。
<司会>
酒井泰斗(さかいたいと)
会社員。ルーマン・フォーラム管理人(socio-logic.jp)。関心領域は道徳科学の歴史、社会科学方法論争史、20世紀中葉の合衆国における行動科学の盛衰。共著に『ワードマップ エスノメソドロジー』(新曜社、2007年)、『概念分析の社会学』(ナカニシヤ出版、2009年)、『信頼を考える』(勁草書房、2018年)、『在野研究ビギナーズ』(明石書店、2019年)など。
発表者要旨を公開しました(2022/11/14追記)