『フィルカル』Vol. 6 No. 2刊行記念イベントのお知らせ

最新号『フィルカル Vol. 6 No. 2』が、8月31日(火)に発売となりました(最新号のコンテンツはこちらから)。その刊行に合わせ、「ネタバレのデザイン@代官山蔦屋書店」以来、約2年ぶりとなる刊行記念オンラインイベント「哲学は人生の必修科目か? ―『ここは今から倫理です。』から考える―」を開催します。

イベント概要

  • タイトル: 「哲学は人生の必修科目か?―『ここは今から倫理です。』から考える―」
  • 日時:2021年9月26日(日)14:00~17:00(終了時刻は予定)
  • 場所:Zoomを利用したオンライン開催(リアルタイム配信のみ。アーカイブ配信はありません)イベント翌日から1週間(~10/3(日)、チケットご購入者さまを対象とするアーカイブ配信も行います。(公開後、アーカイブURLをメールにてご連絡いたします)
  • お申し込み方法 : Peatixのイベントページよりお申込みください。
  • チケット
    • イベント参加券 1,000円(税込み)
    • 『フィルカル』Vol. 6 No. 2号付きイベント参加券 2,980円(税込み、送料込み)

イベント趣旨

分析哲学と文化をつなぐ雑誌『フィルカル』の最新号 Vol. 6 No. 2が、2021年8月31日に刊行されました。最新号の目玉特集の一つが、『ここは今から倫理です。』特集です。高校倫理教師を主人公とした人気漫画で、今年1月にNHKでドラマにもなるなど、話題を集めています。本誌の特集では、原作者の雨瀬シオリさんへのインタビュー「優しい「こそ泥」の倫理」、そして、NHKドラマ制作陣の渡辺哲也さん・尾崎裕和さんへのインタビュー「ドラマを作ることは哲学することでもある」を掲載しています。合計60ページのたいへん読み応えのある内容になっています。

私たちが生きるなかで直面する問題には、哲学や倫理学に関わるものが少なくありません。そして、人は知らず知らずのうちに哲学や倫理学をしてしまっていることも珍しいことではないでしょう。『ここは今から倫理です。』は具体的な問題に悩む教師や生徒の姿を通して、「人生の必修科目」としての哲学・倫理学のあり方を描き出しています。それは、私たち一人一人が生きる上での哲学の意味を教えてくれるものでもあり、また哲学研究者にとっては、自分の仕事の社会的意義についてあらためて問いかけられるものでもありました。実際、哲学や倫理学を研究者やその卵だけのものにしておくのはたいへんもったいないことです。

この『フィルカル』Vol. 6 No. 2の刊行に合わせて、ドラマ『ここは今から倫理です。』の脚本を手掛けた劇作家の高羽彩さんをお迎えするトークイベントを開催します。哲学や倫理学の魅力とはなにか、哲学や倫理学には何が求められているのか、そして、哲学・倫理学はこれからどうあるべきなのか、といったことについて、ドラマでの哲学の描かれ方や、制作過程での工夫や苦労をヒントにしながらトークします。『フィルカル』編集委員でありドラマの高校倫理考証を務めた神戸和佳子氏と、『フィルカル』編集部から長田怜・稲岡大志の各氏が登壇します。哲学や倫理学の未来について、高羽さんを交えて徹底的に話し合いたいと思います。

漫画やドラマ『ここは今から倫理です。』のファン、ドラマ出演俳優のファン、哲学や倫理学の研究者やその卵、哲学や倫理学に興味のある人などなど、お気軽にぜひご参加ください。

登壇者プロフィール


高羽彩(たかは・あや)
劇作家・演出家・俳優。早稲田大学卒業。早稲田大学の学生劇団「てあとろ50’」を経て2004年に個人演劇ユニット『タカハ劇団』を旗揚げ、主宰・脚本・演出を手掛ける。緻密な構成と生々しくチープでありながら何処か叙情的な言語感覚が高い評価を得、近年ではアニメ・実写ドラマ・ゲームシナリオとジャンルを問わず脚本執筆の場を広げている。2021年には脚本をつとめたドラマ『ここは今から倫理です。』がギャラクシー賞を受賞。更なる活躍が期待されている。


神戸和佳子(ごうど・わかこ)
1987年、長野県生まれ。2012年にハワイで「子どものための哲学」(P4C)の実践に出会い、その後、中学校・高等学校を中心に、哲学的な対話の手法を用いた授業実践を行う。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在は北陸大学経済経営学部講師。専門は哲学教育、日本教育思想史。共著に、『子どもの哲学』シリーズ(毎日新聞出版)など。NHKよるドラ「ここは今から倫理です。」および関連番組の「ここは “ぺこぱと”倫理です。」で高校倫理考証を担当。


長田怜(おさだ・りょう)
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在は浜松医科大学医学部准教授。専門はルドルフ・カルナップの哲学、医学の哲学。論文に、“Realism in Carnap’s Aufbau vs Antirealism in Goodman’s The Structure of Appearance,” Review of Analytic Philosophy, 1(2021): 1–18など。


稲岡大志(いなおか・ひろゆき)
1977年生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。現在は大阪経済大学経営学部准教授。専門はヨーロッパ初期近代の哲学、数学の哲学、スポーツの哲学・倫理学など。著書に、『ライプニッツの数理哲学――空間・幾何学・実体をめぐって』(昭和堂、2019年)、共著に、『信頼を考える――リヴァイアサンから人工知能まで』(勁草書房、2018年)など。

フィルカル編集部
分析哲学と文化をつなぐ雑誌