Vol. 11, No. 1 を刊行いたします

分析哲学と文化をつなぐフィルカル、最新号『フィルカル Vol. 11 No. 1』が、2月28日(土)に発売となります。

書影

内容紹介

分析哲学と文化をつなぐ哲学雑誌「フィルカル」の最新号(Vol. 11, No. 1)。

特集「肉食の倫理」では、「近代日本人の肉食倫理思想」(上田 遥)、「ヴィーガンというマイノリティになる」(竹下昌志)、「培養肉は種差別規範を揺さぶるか」(高江可奈子)、「どういう仕方でなら食べられて良いのか」(太田和彦)と、私たちの生活に埋め込まれた「肉を食べる」ことを、近代日本や技術といった様々な観点から問い直します。また、翻訳記事「肉食者問題」(M・プラント)は、肉食の不正と人命救助の間の緊張関係を暴きだす論考です。訳者である石原諒太・中村貴行による解説付き。

特集「アルヴィン・ゴールドマン」では、幅広い分野で活躍するも日本国内ではいまだ広く知られていない、2024年に逝去した哲学者ゴールドマンにスポットライトを当てました。「ゴールドマンの行為論について」(佐藤広大)、「ゴールドマンの他者理解論」(藤原諒祐)、「Alvin Goldmanと社会認識論」(飯塚理恵)、「ゴールドマンの応用社会認識論」(山田圭一)、「集団の信念の正当化に関する信頼性主義理論」(飯塚 舜)と、行為論、心の哲学、認識論の側面から、ゴールドマンの多面的な姿に迫ってゆく特集です。

「哲学への入門」のコーナーでは本号から、石原諒太・佐々木 渉 両氏による死の哲学入門を全4回にわたって連載していきます。本号に掲載の第1回目は「なぜ死は死ぬ当人にとって悪いのか?」と題して、英語圏において盛んに繰り広げられている死の哲学の論争に、「死の悪さ」という切り口で、皆さまを手取り足取り導きます。

投稿論文は、「作者の意図への配慮は西洋絵画修復を正当化しうるか」(大川柚佳)を掲載。絵画の修復という問題に対して、従来提起されてきた作者の意図をめぐる様々な立場を批判的に検討することで、修復実践の場における作者の意図の扱い方のあるべき形を描き出していく、たいへん緻密な論考です。

そのほか、哲学の研究者たちが自身の海外留学の体験をつづったコラム特集「留学体験記」、研究者の生活やこだわりに触れられるリレーコラム「研究者の楽屋裏」に、注目の書評1本が加わって、本号も非常に充実した誌面となっております。

専門家がつくる哲学誌フィルカル、今号も哲学と文化が織りなす《今》を伝えます。

目次

目次1
目次2

総編集長就任挨拶 一ノ瀬正樹

特集1 肉食の倫理
・序文 石原諒太
・近代日本人の肉食倫理思想―西田幾多郎、福沢諭吉、佐伯矩 上田 遥
・ヴィーガンというマイノリティになる―変容的経験の観点から 竹下昌志
・培養肉は種差別規範を揺さぶるか―動物の可食性を問い直す 高江可奈子
・どういう仕方でなら食べられて良いのか―被食の受容可能性と、「ありがたいもの/ありふれたもの」 太田和彦
・翻訳  肉食者問題―肉食の不正さと救命の義務は両立可能か? M・プラント(石原諒太・中村貴行 訳)
・解説  M・プラント「肉食者問題―肉食の不正さと救命の義務は両立可能か?」 訳者解説 中村貴行・石原諒太

特集2 アルヴィン・ゴールドマン
・序文 飯塚 舜・藤原諒祐
・ゴールドマンの行為論について 佐藤広大
・ゴールドマンの他者理解論―シミュレーション+投影(+理論)説 藤原諒祐
・Alvin Goldmanと社会認識論―社会認識論の三分類とヴェリティズムの現代的評価 飯塚理恵
・ゴールドマンの応用社会認識論―専門家とブログの認識論的分析 山田圭一
・集団の信念の正当化に関する信頼性主義理論―Goldmanとその後 飯塚 舜

哲学への入門  死の哲学入門 第1回 石原諒太・佐々木 渉

論文
・作者の意図への配慮は西洋絵画修復を正当化しうるか―意図論争を通じた分析美学的検討 大川柚佳

コラム特集 留学体験記
・趣旨文 真野雄大
・アメリカ カリフォルニア大学リバーサイド校 UCR 留学記 松本将平
・シンガポール/アメリカ イェール・NUSカレッジ/コネチカット大学 タイガービールと雪かき―2回の留学経験を振り返って 田中 凌
・イギリス セントアンドリューズ大学/スターリング大学 ⽣き⽣きとした時間の中で―スコットランド博⼠⽣活の記録 小松鈴花
・イギリス セントアンドリューズ大学/スターリング大学 自由意志より自由時間が欲しい 服部宜成
・フランス グルノーブル・アルプ大学 遠き日本、遠きグルノーブル 髙木 彩

リレーコラム
・研究者の楽屋裏―あり合わせ生活とこだわり 井岡詩子

レビュー
・マーカス・ウィークス『哲学入門ショートストーリー200』(丸善出版、2025 年) 角田將太郎

Abstract

ご購入はAmazonで。

Vol. 10 を刊行いたします

分析哲学と文化をつなぐフィルカル、最新号『フィルカル Vol. 10』が、11月20日(木)に発売となります。

書影

内容紹介

分析哲学と文化をつなぐ哲学雑誌「フィルカル」の最新号(Vol. 10, No. 1)。

特集「哲学と教育」では、「ソクラテスは教育者か?」(納富信留)、「道徳と権力」(河野哲也)、「「悲哀」の哲学∞教育の「憂鬱」」(門前斐紀)、「イソクラテスに学ぶ」(酒井健太朗)と、哲学・倫理学、教育学の専門家による論考を一挙に掲載。古代ギリシアから京都学派まで、多様な切り口から「哲学と教育」を横断的に論じる意欲的な特集です。

特集「続・分析哲学とモダニズム」は、2016年の創刊号の特集「分析哲学とモダニズム」の続編です。本誌は、来年に創刊から10周年の節目を迎えます。そこで、あらためて原点に立ち返り、「分析哲学と1920 年代モダニズム」(長田怜)、「アメリカ哲学のレイトモダニズム」(入江哲朗)、「予期しえぬ事柄に対するモダニストの倫理」(槇野沙央理)と、音楽や建築をはじめとするモダニズム文化と分析哲学の知的関係を論じます。

リレーコラムでは、新企画として哲学研究者がお気に入りの思考実験や論証について紹介する「哲学の実験室」を掲載。初回は「トロッコ問題」を紹介します。

論文は、『ちいかわ』にプラトン哲学から切り込む「「こういう風になってくらしたい」の危険性」(平石千智)、綿矢りさの短編をネーゲルから読み解く「綿矢りさ「こたつのUFO」における人生の無意味さの自覚とその受容」(玉手慎太郎)と、哲学的観点から現代文化を鋭く批評する2論文を掲載しています。

そのほか、シリーズ「著者自身による外国語論文紹介」(新川拓哉)、社会人と博士課程という多忙な生活の両立を語るエッセイ「社会人院生考」(中西亮太)や、注目の書評も2本掲載。専門家がつくる哲学誌フィルカル、今号も哲学と文化の《今》を伝えます。

目次

目次1
目次2

特集 哲学と教育
・序文 酒井健太朗
・ソクラテスは教育者か? ―哲学と教育の関係をめぐる一考察 納富信留
・道徳と権力―道徳哲学のための序論 河野哲也
・「悲哀」の哲学∞教育の「憂鬱」―京都学派と子どもの生活世界 門前斐紀
・実践重視の教育思想の原型―イソクラテスに学ぶ 酒井健太朗

特集 続・分析哲学とモダニズム
・序文 長田 怜
・分析哲学と1920 年代モダニズム 長田 怜
・アメリカ哲学のレイトモダニズム―スザンヌ・K・ランガーが属する系譜の照明 入江哲朗
・予期しえぬ事柄に対するモダニストの倫理―カヴェルを手がかりとしたウィトゲンシュタイン読解に向けて 槇野沙央理

論文
・ 「こういう風になってくらしたい」の危険性―高貴な嘘としての『ちいかわ』 平石千智
・ 綿矢りさ「こたつのUFO」における人生の無意味さの自覚とその受容―トマス・ネーゲルの理論を用いた哲学的読解 玉手慎太郎 

シリーズ 著者自身による外国語論文紹介
・「意識の崇高さ」/ 「意識は崇高である」 新川拓哉

エッセイ
・社会人院生考―ある教育哲学徒の博士課程回想録 中西亮太
リレーコラム
・哲学メシ―ひとの交差する日常の句読点 井出和希
・研究者の楽屋裏―コロナ禍を経て 遠藤太良
・哲学の実験室―いろいろなトロッコ問題 矢歌礼次郎

レビュー
・田中泉吏・鈴木大地・太田紘史『意識と目的の科学哲学』(慶應義塾大学出版会、2024年) 篠崎大河
・デイヴィッド・エドモンズ『デレク・パーフィット―哲学者が愛した哲学者(上・下)』(勁草書房、2024年) 丸山文隆

Abstract

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ワークショップ「企業内哲学の「資格」をめぐって」を開催します(主催:東京大学UTCP、共催:フィルカル)

東京大学UTCP(共生のための国際哲学研究センター)の主催(共催:フィルカル)にて、ワークショップ「企業内哲学の「資格」をめぐって」を開催します。

イベント概要

企業内哲学」と呼ばれる動向が近年、注目を集めています。
哲学を取り入れる国際企業は年々増加してきています。いまや日本でもそうしたコンサル企業が少なくとも3つあります。企業に哲学対話を提供するようなフリーで働く哲学プラクティショナーを含めれば、その数はもっと多くなります。

昨年6月には、哲学者を「企業内哲学者」として雇用した企業側の方々に、なぜ哲学者を受け入れたのか、受け入れた結果どうなったのか、といった話を伺う機会を設け、この動向の理解を深めました(その様子は『フィルカル』Vol. 9 No. 3に「企業内哲学」特集としてまとめられています)。

ただこのように企業での哲学実践とその理解が広まってきたなかで、いま、新たな問いが生じてきてもいます。それは「その実践はいかなる”資格”で哲学であるのか」というものです。

資格をめぐるこの問いは、一方で哲学という専門性、ひいては哲学の社会的役割の問いであり、他方では哲学導入を望む企業にとっての採用条件の問いでもあります。

より広くは、「企業で哲学をするためにはどのような能力やスキルが必要なのか」「哲学の学位は必要なのか」「大学や大学院の哲学教育で育まれる専門性と企業で求められる専門性はどの程度重なり合うのか」などと、さまざまなレベルでの疑問を呼び起こすテーマです。

そこで今回は、専門的な哲学教育を受けて企業内哲学に従事する研究者や、参加者の専門性を問わない哲学対話を企業に積極的に導入しているビジネスパーソンをお迎えして、それぞれの立場からのお話を伺います。そしてそうした発表をふまえつつ、参加者のみなさまとともにこのテーマについて考えていきたいと思っています。

詳細

  • 日時:2025年5月31日(土)14時から17時頃
  • 会場:東京大学 駒場キャンパス 21 KOMCEE East K211 
  • 参加費:無料
  • 定員:70名(定員に達し次第、お申込みを締切らせていただきます)

スピーカー

大前みどり
ダイナミクス・オブ・ダイアログ合同会社代表)

産業能率大学大学院総合マネジメント研究科修了(MBA)。専門は経営理念の浸透。企業における人材育成や起業家支援に従事後独立。様々な対話的アプローチを活用し、企業、自治体、地域、学校などで対話の場づくりを推進。2019年から哲学対話を実践し、哲学対話の進行役のための講座運営などを行っている。


佐々木晃也
大阪大学

大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程。専門は哲学(スピノザ、企業内哲学など)。対話型ワークショップの研究と求人業界での仕事を経て、現在。最近の著作としては「哲学×対話」(『対話をめぐる旅ー豊かな関係のデザイン』, 158-184, 2025年)、「被統治者の倫理:スピノザとアディアフォラ」(『現代思想』53(3), 147-156, 2025年)など。


堀越耀介
東京大学

東京大学UTCP上廣共生哲学講座特任研究員。専門は教育哲学・哲学プラクティスで、特にジョン・デューイの哲学思想、 哲学対話の理論を研究。企業での社員研修や哲学コンサルティングを行う。著作に「哲学で開業する:哲学プラクティスが拓く哲学と仕事の閾」(『現代思想』 50(10) 98-107, 2022年)、『哲学はこう使う:問題解決に効く哲学思考入門』(実業之日本社、2020年)など。


稲岡大志
大阪経済大学

大阪経済大学経営学部准教授。専門は17世紀ヨーロッパ哲学、数学の哲学、アニメーションの哲学など。主な業績は『ライプニッツの数理哲学』(単著、昭和堂、2019年)、『世界最先端の研究が教える すごい哲学』(共編著、総合法令出版、2022年)、マシュー・スチュワート『マネジメント神話』(翻訳、明石書店、2024年)、キャサリン・ホーリー『信頼と不信の哲学入門』(監訳、岩波新書、2024年)など。


主催:東京大学UTCP 共催:フィルカル

Vol. 9, No. 3 を刊行いたします

分析哲学と文化をつなぐフィルカル、最新号『フィルカル Vol. 9 No. 3』が、2月1日(土)に発売となります。

書影

内容紹介

特集「企業内哲学──企業で/と働く哲学者たち」には、企業内哲学の実践者による論考とフランスの哲学者ジョルジュ・カンギレムの論文「今日のフランスにおいて哲学者であるとは何であるのか?」の翻訳を掲載しています。企業において哲学者にどのようなニーズがあるのか、それに対して哲学者側はなにを提供できるか、そして、そもそも「哲学者」とは何なのか、といった問いについて考えます。小特集「哲学の最前線──知識の哲学」では、「知的創造性」と「無知」についての最新の議論を、第一線で活躍する研究者がわかりやすく紹介します。その他にも、シリーズ「著者自身による外国語論文紹介」、「哲学の居場所を探る」(インタビュー)や、分析美学における重要論文(「美的態度という神話」)の翻訳を掲載しています。哲学者の食や仕事場といった日常を描くコラムや、著者自身による自著紹介・書評も。専門家がつくる哲学誌フィルカル、今号も哲学と文化の《今》を伝えます。

目次

目次1
目次2

Vol. 9 No. 3に掲載予定でした、スタンリー・カヴェル「言うことは意味することでなけらばならないか」翻訳の後半部はVol. 10以降の掲載となります。ご了承ください。

特集 企業内哲学──企業で/と働く哲学者たち
・企画趣旨 稲岡大志
・誰が哲学者と言われうるのか──「日本における企業内哲学の実際」とその分析 佐々木晃也
・企業「内」哲学から「間」でする哲学へ──媒介と対話のプロセスとしての哲学プラクティス 堀越耀介
・ビジネスで哲学する必要はない──企業内美学と遊び場 難波優輝
・翻訳 今日のフランスにおいて哲学者とは何であるのか? ジョルジュ・カンギレム、佐々木晃也

・解説  ジョルジュ・カンギレム「今日のフランスにおいて哲学者とは何であるのか?」 訳者解題 佐々木晃也

小特集 哲学の最前線──知識の哲学
・企画趣旨 藤原諒祐
・徳認識論の中の知的創造性 植原 亮
・無知の認識論──その成り立ちと近年の研究の諸動向 大橋一平

 シリーズ 著者自身による外国語論文紹介
・他者を理解すること──推論主義の観点から 飯川 遥
・譲歩的共同行為──共同行為論における新概念 三木那由他

シリーズ 哲学の居場所を探る
・インタビュー第3回(後半) 松川えり(てつがくやさん)

翻訳
・美的態度という神話 ジョージ・ディッキー、銭 清弘 訳
・解説  ジョージ・ディッキー「美的態度という神話」訳者解説 銭 清弘

 リレーコラム
・哲学メシ──完全食編 杉山 弦
・研究者の楽屋裏──小さな書斎の窓辺から 浪波利奈

連載
・柔道に見る哲学?! ──「練習」と「稽古」の違い 和辻 龍

書評・紹介
・自著紹介 『SFマンガで倫理学──何が善くて何が悪いのか』(さくら舎、2024年) 萬屋博喜
・自著紹介 私たちは自由であるがゆえに運に晒される──『自由と自己の哲学』(岩波書店、2024年) 李 太喜
・自著紹介 『真理の本性』(勁草書房、2024年) 須田悠基
・自著紹介 『問いが世界をつくりだす』(青土社、2024年) 田村正資
・編者による紹介 『ジェンダード・イノベーションの可能性』(明石書店、2024年) 鶴田想人
・訳者による紹介 道徳の系譜学へ──『恥と運命の倫理学』(慶應義塾大学出版会、2024年) 渡辺一樹・杉本英太
・レビュー ジェームズ・A・ハリス『ヒューム入門』(丸善出版、2024年) 澤田和範
・レビュー 酒井健太朗『教育の思想と原理』(晃洋書房、2024年) 山田真由美
・レビュー 共鳴する〈トラブル〉──藤高和輝『バトラー入門』(ちくま新書、2024年) 青本柚紀
・レビュー 道化と哲学者―Michael Schur, How to Be Perfect (Simon & Schuster, 2022) スティーブン・ミラー、藤井翔太 訳

ご購入はAmazon、一部書店、一部大学生協で。

フィルカル Vol. 9 No.3の刊行と今後の刊行スケジュールについて

フィルカル Vol. 9 No. 3を2025年2月1日に刊行いたします。

例年では各号を同一年内に刊行しておりましたが、制作進行の都合により、今号は例年より遅れての刊行となりました。刊行が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます。

また次巻(Vol. 10)以降はこれまでの年三回の定期刊行とは異なるスケジュールでの刊行となります。詳細につきましては決まり次第ウェブサイト等でお知らせいたします。

制作体制を見直し、皆さまによりよい雑誌をお届けできるよう努力して参ります。今後とも『フィルカル』をよろしくお願いいたします。