分析哲学と文化をつなぐ雑誌『フィルカル』Vol. 3, No. 1を3月末に刊行いたします。
今号はおよそ400ページの大ボリュームでのお届けです。
「デヴィッド・ルイス入門」はいよいよ可能世界論の「応用編」に突入します。
前号で準備された可能世界概念をもとに、ルイスは反事実条件文をいかに分析するのか。
現代形而上学研究の新鋭がその内容と魅力をお届けします。
新コーナー「研究への招待」では、分析哲学の重要な研究や、研究の最前線を紹介します。
今回は、メタ倫理学の分野から、道徳や行為の正しさを「理由」という概念からとらえる議論をクリアに分析・紹介しています。
新コーナー「イベント」では、2017年10月29日の(台風の!)夜に開催したイベント「フィルカル× n a g u n e「哲学の夜」」での議論の様子をお送りします。
「わいせつと「普通人」」をテーマに繰り広げられる生き生きとした(あるいは生々しい)哲学の議論をお楽しみください。
「文化の分析哲学」では芸術の創造性と複製の関係、アメコミキャラクターをめぐる歴史的存在論、映画『ブレードランナー』に見る生命倫理、と多彩かつ読み応え抜群の論文3本を掲載いたします。
さらに、前号の論考「大森靖子と推論主義」をめぐり議論が百出したことを受け、紙面上に検討の場を設置。
推論主義とは何か、それを用いて文化を分析することは可能なのか、またそれが可能ならいかにしてか。
推論主義の可能性とそれとの付き合い方を、3人の論者と著者本人による応答を通して吟味します。
「社会と哲学」では、実際に大学の授業でマンガを用いた哲学教育の試みを実践している研究者による報告を掲載。
マンガと哲学の関係に興味がある方はもちろん、芸術批評と哲学的議論の関係、「教養」としての哲学の意義などに関心がある方も必見です。
また「レビュー」では2017年下半期の書評、湯浅政明監督『ピンポン THE ANIMATION』のレビューを掲載いたします。
刺激的な哲学が満載の『フィルカル』Vol. 3, No. 1。
ぜひお手にとって議論にご参加ください。
なお、記事の増強に伴い、Vol. 3, No. 1より価格を1,500円+税とさせていただきます。
また、2号分をまとめてお申込みいただく年間講読も3,000円+税(送料無料)となります。
これまで以上に充実した内容をお送りできるよう編集部一同努めて参りますので、ご了承ください。
Amazonでもご購入いただけます。
目次
哲学への入門
デヴィッド・ルイス入門 第2回 反事実条件文(野上 志学)
研究への招待
論文「T. M . スキャンロンと価値の責任転嫁説明-「理由への転回」の里程標-」(岡本 慎平)
イベント「哲学の夜」
フィルカル× n a g u n e「哲学の夜」(2017年10月29日)
議論「わいせつと「普通人」」(講師:八重樫 徹/司会&解説:長門 裕介)
文化の分析哲学
論文「創造と複製-芸術作品の個別化-」(岩切 啓人)
論文「スーパーヒーローの概念史-虚構種の歴史的存在論-」(高田 敦史)
論文「映画『ブレードランナー』の生命倫理学-虚実のあいだで詭弁を見定める-」(横地 徳広)
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●川瀬「大森靖子と推論主義」の検討
(1)書簡「川瀬論文への質問」(古田 徹也)
(2)論考「推論主義の使い方」(新野 安)
(3)論考「「大森靖子と推論主義」へのコメント」(山田 竹志)
(4)論考「「大森靖子と推論主義」コメントへの応答」(川瀬 和也)
社会と哲学
報告「マンガを活用した哲学教育の試み」(萬屋 博喜)
レビュー
レビュー「2017年下半期書評」(長門 裕介)
レビュー「湯浅政明監督『ピンポン THE ANIMATION』」(小倉 健太郎)
投稿募集中
編集部では次号へ向け、分析哲学と文化をテーマとした原稿を募集しています。
投稿締切:2018年6月30日(土)
投稿先:philcul[at]myukk.org(「at」を「@」に変えてください)
原稿は、メールの件名に「フィルカル投稿」と明記したうえで、添付ファイルでお送りください。
投稿の詳細については「投稿募集」ページをご覧ください。
熱意のこもった原稿をお待ちしております。