Vol. 10 を刊行いたします

分析哲学と文化をつなぐフィルカル、最新号『フィルカル Vol. 10』が、11月20日(木)に発売となります。

書影

内容紹介

分析哲学と文化をつなぐ哲学雑誌「フィルカル」の最新号(Vol. 10, No. 1)。

特集「哲学と教育」では、「ソクラテスは教育者か?」(納富信留)、「道徳と権力」(河野哲也)、「「悲哀」の哲学∞教育の「憂鬱」」(門前斐紀)、「イソクラテスに学ぶ」(酒井健太朗)と、哲学・倫理学、教育学の専門家による論考を一挙に掲載。古代ギリシアから京都学派まで、多様な切り口から「哲学と教育」を横断的に論じる意欲的な特集です。

特集「続・分析哲学とモダニズム」は、2016年の創刊号の特集「分析哲学とモダニズム」の続編です。本誌は、来年に創刊から10周年の節目を迎えます。そこで、あらためて原点に立ち返り、「分析哲学と1920 年代モダニズム」(長田怜)、「アメリカ哲学のレイトモダニズム」(入江哲朗)、「予期しえぬ事柄に対するモダニストの倫理」(槇野沙央理)と、音楽や建築をはじめとするモダニズム文化と分析哲学の知的関係を論じます。

リレーコラムでは、新企画として哲学研究者がお気に入りの思考実験や論証について紹介する「哲学の実験室」を掲載。初回は「トロッコ問題」を紹介します。

論文は、『ちいかわ』にプラトン哲学から切り込む「「こういう風になってくらしたい」の危険性」(平石千智)、綿矢りさの短編をネーゲルから読み解く「綿矢りさ「こたつのUFO」における人生の無意味さの自覚とその受容」(玉手慎太郎)と、哲学的観点から現代文化を鋭く批評する2論文を掲載しています。

そのほか、シリーズ「著者自身による外国語論文紹介」(新川拓哉)、社会人と博士課程という多忙な生活の両立を語るエッセイ「社会人院生考」(中西亮太)や、注目の書評も2本掲載。専門家がつくる哲学誌フィルカル、今号も哲学と文化の《今》を伝えます。

目次

目次1
目次2

特集 哲学と教育
・序文 酒井健太朗
・ソクラテスは教育者か? ―哲学と教育の関係をめぐる一考察 納富信留
・道徳と権力―道徳哲学のための序論 河野哲也
・「悲哀」の哲学∞教育の「憂鬱」―京都学派と子どもの生活世界 門前斐紀
・実践重視の教育思想の原型―イソクラテスに学ぶ 酒井健太朗

特集 続・分析哲学とモダニズム
・序文 長田 怜
・分析哲学と1920 年代モダニズム 長田 怜
・アメリカ哲学のレイトモダニズム―スザンヌ・K・ランガーが属する系譜の照明 入江哲朗
・予期しえぬ事柄に対するモダニストの倫理―カヴェルを手がかりとしたウィトゲンシュタイン読解に向けて 槇野沙央理

論文
・ 「こういう風になってくらしたい」の危険性―高貴な嘘としての『ちいかわ』 平石千智
・ 綿矢りさ「こたつのUFO」における人生の無意味さの自覚とその受容―トマス・ネーゲルの理論を用いた哲学的読解 玉手慎太郎 

シリーズ 著者自身による外国語論文紹介
・「意識の崇高さ」/ 「意識は崇高である」 新川拓哉

エッセイ
・社会人院生考―ある教育哲学徒の博士課程回想録 中西亮太
リレーコラム
・哲学メシ―ひとの交差する日常の句読点 井出和希
・研究者の楽屋裏―コロナ禍を経て 遠藤太良
・哲学の実験室―いろいろなトロッコ問題 矢歌礼次郎

レビュー
・田中泉吏・鈴木大地・太田紘史『意識と目的の科学哲学』(慶應義塾大学出版会、2024年) 篠崎大河
・デイヴィッド・エドモンズ『デレク・パーフィット―哲学者が愛した哲学者(上・下)』(勁草書房、2024年) 丸山文隆

Abstract

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フィルカル編集部
分析哲学と文化をつなぐ雑誌