分析哲学と文化をつなぐフィルカル、最新号『フィルカル Vol. 8 No. 2』が、8月31日(木)に発売となります。以下に、最新号の内容をご紹介いたします。
内容紹介
分析哲学と文化をつなぐ哲学雑誌『フィルカル』の最新号(Vol. 8, No. 2)。
巻頭特集は「ELSIの流れのほとりにて(第2回)」。新技術にともなう「倫理・法・社会」を考える枠組み、ELSI。社会に潜在する捉えがたい多様性を現代アート分析をつうじて語りだす論考と、人文知を用いたELSI/RRIの実践を第一人者が語るインタビューの2本から。
特集2は好評「作者の意図、再訪(第2回)」。「芸術作品の意味は作者の意図次第で決まるのか?」という難問に、若手美学者が挑む。
小特集は「A. スリニヴァサン『セックスする権利』を読む」。話題のフェミニズム哲学書をめぐり、セックスする(される)権利、ポルノ、(性的)同意など、身近でリアルな諸問題に専門家が切り込む。
シリーズ「哲学とセーファースペース」では、哲学にかかわる女性のための自助グループ「WOMEN:WOVEN」が中心となって、哲学コミュニティに残る諸問題を、当事者の目線でリアルに伝えます。
そのほか、VTuberの存在性格をめぐる本格的な哲学論文や、アンスコムの未邦訳論文の翻訳など。専門家がつくる哲学誌フィルカルは、今号も哲学と文化の《今》を伝えます。
目次
特集1 ELSIの流れのほとりにて
- はじめに…………佐藤 暁
- 距離と異なる像 ………… 井出和希・菊池 遼
- 標葉隆馬氏インタビュー ………… 佐藤 暁・長門裕介・朱 喜哲・標葉隆馬
特集シリーズ 作者の意図、再訪
- 作者の意図と芸術解釈の目的 ………… 原 虎太郎
- ハーシュにおける意図の概念 ………… 河合大介
特集2 アミア・スリニヴァサン『セックスする権利』を読む
- 企画趣旨 ………… 木下頌子
- フェミニストとして哲学すること―アミア・スリニヴァサンによるフェミニスト哲学の実践について…………中根杏樹
- セックスされる能力 ………… ひらりさ
- (ポルノ化した)社会の中のポルノの哲学―スリニヴァサン「ポルノについて学生と話すこと」を読む ………… 八重樫 徹
- 「欲望を共に問題にする」―スリニヴァサン『セックスする権利』を受けて同意を捉え直す…………佐々木梨花
シリーズ 哲学とセーファースペース
- 序文…………神戸和佳子
- WOMEN:WOVENの歩み― safer spaceの形成をめざして…………津田栞里
- 「女性」で「多様」な哲学者たちの往復書簡…………稲原美苗・坂本美理・竹内彩也花・槇野沙央理
- 対談「日常の哲学」をめぐる対談 ………… 谷川嘉浩 × 長門裕介
- 翻訳 姿勢の感覚について………… G・E・M・アンスコム、吉田 廉 訳
G・E・M・アンスコム「姿勢の感覚について」訳者解説 ………… 吉田 廉 - 論文 VTuberはいかなる意味で二次元/三次元的な存在者なのか?………… 山野弘樹
シリーズ ポピュラー哲学の現在
- 対談「哲学と自己啓発の対話Ⅱ」第三回 ………… 稲岡大志(企画)/玉田龍太朗(企画)
- 報告 アクティブ・ラーニングへの哲学対話の応用実践―教育実践報告(高等学校国語科『論理国語』) ………… 玉田龍太朗
- レビュー 井頭昌彦(編著)『質的研究アプローチの再検討― 人文・社会科学からEBPsまで』 ………… 下山千遥
- レビュー 上枝美典『神さまと神はどう違うのか?』(ちくまプリマー新書、2023 年) ………… 筒井一穂
- 紹介 自著解説『フッサール ― 志向性の哲学』 ………… 富山 豊
- 紹介 訳者による紹介 ドミニク・ロペス、ベンス・ナナイ、ニック・リグル『なぜ美を気にかけるのか― 感性的生活からの哲学入門』 ………… 森 功次
- コラム これが高校生の本音 ?! 野球部が見せる雨天時の哲学 ………… 和辻 龍
『フィルカル』は、Amazonや一部大型書店、一部大学生協でお求めいただけます。